静岡県三島市平田にあるいのうえ内科・リウマチ科です。関節炎疾患・膠原病疾患等でお悩みの方はぜひご相談下さい。

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関節リウマチで初診されたい方へ

開業し早8年を経過しており、これまでやってこれたのは、ひとえに患者様、地域の皆様に支えられての事と思い、皆さまには大変感謝しております。

しかし、開業した当初と異なり、少なくなったとはいえ、まだ誤解をされている皆さんが多いので、再度初診で当院を受診されたい皆様に説明をさせて頂きます。当院は開業医のため、順天堂大学病院や静岡医療センター、沼津市立病院と異なり紹介状が無くても受診できる訳です。実際初診でリウマチ疑いで受診される方のほとんどが紹介状の持参はなく、周辺医療機関から逃亡されてきた方々か、症状の自己申告をされる方ばかりです。それ故に自己申告をされる方々にかなりの誤解があります。

誤解が生じる原因は静岡県にあります。当院は父親の代からある医療法人のため、病院名に静岡県のガイドラインで規定の診療科目でなくてはならない、という決まりがあり、順天堂大学医学部付属病院のように『リウマチ膠原病科』と標ぼう出来ませんでした。『リウマチ科』としか標ぼうが出来なかった訳です。

一方、周辺整形外科の開業医さん達は整形外科という標ぼう以外に『リウマチ科』を名乗っています。関節リウマチを診察したいのでそう標ぼうしていると思いますが、医療法人ではない医療機関であるか、医療法人を立ち上げた頃標ぼうに関するガイドラインが無かったのか、どちらかだと思います。

さて、『リウマチだと思って・・・』と来院される方の半分以上が全く見当違いです。違うというと、『私は素人だから違うと言うな!』と怒る人もいます。怒られても泣き脅しされても無理なものは無理なので、簡単に関節リウマチの症状について説明します。こういう相談は本当に困る、と思う事例を列挙します。

1.あくまで『関節痛』である事。関節腫脹もあり、手指で圧迫すると疼痛を伴う所見があると尚関節リウマチらしい。首、腰、背中は椎体です。

2.首の症状、腰の症状が単独で出現する事は関節リウマチに出る事はまずない。整形外科を始めに受診して欲しい。そこで仙腸関節がうんたらと言われ、対応が迷走するようなら、脊椎関節炎の可能性があるので当院に来て欲しい。

 (脊椎関節炎の患者は日本人にはまず居ないからです。)

3.関節リウマチの初期に腱鞘炎が出る事もある。関節痛が一緒に出ていないだろか。明らかに使いすぎによる症状だと自覚があれば、先に整形外科を受診する事を強くお勧めする。

4.前腕部の症状、下腿の症状は明らかに関節リウマチではない。そもそもそこは関節ではない。だから『関節』リウマチではない。皮膚筋炎/多発筋炎は両側近位部(太腿や上腕)の筋痛なので、多分それも違う。稀に遠位部筋に起こる筋炎(封入体筋炎など)もあるが、症例は極めて少ない。順天堂大学病院に手柄を取られても悔しくもなんとも思わない。だから当院に相談に来なくて良い。

5.手の痺れは、ほぼそれしか症状がないのなら、関節リウマチに特異的な症状ではないので、最初に整形外科に相談して欲しい。ネットに関節リウマチに特異的な症状であると書いてあったとしても、それはあなたのネット記事の読みが浅いだけです。整形外科に相談してください。

不愉快に思われた方が居たら、本当にごめんなさん。でも、患者さんから頂く罵声や避難の声に疲れているのです。私は整形外科医ではないので無理な相談は無理なのです。整形外科で改善しない整形外科疾患は私には治せません。治せるという噂をあなたが聞いたとしたら、それは嘘大袈裟紛らわしいからです。

あと本気で困るのは、問診表には主訴に関節痛と書いてあるのに、診察室で第一声で全く異なる症状を言う方がいらっしゃいます。関節リウマチの症状、膠原病の症状、内科疾患の症状を書かないと受付ではじかれると聞いた方々だと思いますが、本当にやめてください。心身ともに疲弊します。私に相談したい事を問診表の主訴に記載してください。

ついでに言いうと、自分の主訴をしつこく何度も訴えてくる方が居ます。そんなに多くないですが、偶にいます。暫く立ち直れないくらい強烈で、大抵の方が威圧的で恐怖を感じます。カルテを書く手を遮ってまで訴えるのはやめてください。そういう患者さん達は、私の問診態度が悪いと怒りますが、明らかに違うのでやめてください。

以上

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2024年5月31日

外来混雑の言い訳

患者さんがかなり増えてきました。増えた理由は色々あります。

1.私の腕がいい、私が評判がいい、・・・だと本当に嬉しいのですが。競合に悪口を書かれすぎてGoogle閲覧数が増えただけかもしれません。

2.周りの競合医療機関の『メッキ』が剝がれてきた。どことは言いませんが、これは有ります。あと、某医療センターのやる気が無くなったのもある。医師が集まらないらしい。敵とはいえ深刻だと思う。

3.当院の、予約システムの故障の問題。一時期満員なのに、ネットから予約が入る事件が多発しました。システム会社は、当院スタッフのせいにしたり、外部からパスワードを盗んで操作したとか色んな憶測が飛びましたが、何度も話し合いを重ね、やっと修復しました。予約が超過となり、待ち時間が長くなった時期があった事を皆様にお詫びします。

4.今回いちばんがっかりしたのは、富士、富士宮方面から数年間通院されていた患者さんが、『遠いから』を理由に転院されるケースです。富士、富士宮方面の患者さん達は遠方のため、採血と診察を同じ日にする事が多く、多くが土曜午前に来院される方々です。そのため毎週土曜午前は大混在になります。それが、2年前から入山瀬にH医大の先生が開業をされたとの事で、パチンコ屋の新装開店に群がるようにそちらへの移動を希望します。

私から見たら、そういう患者さん達は最初かなり重症で、私は外来で四苦八苦しながら治療をした訳です。土曜午前という一番混雑する時間の多くを彼らに分配して仕事をしてきた訳です。その苦労を当たり前だと思ってほしくない。感謝して欲しい。

疾患が落ち着いてきたら、当院が混雑している、通院すると遠くて疲れるから、という理由で地元富士市内の病院に通院したいと言い出す訳です。わがままです。

今から言う事は私の本音です。医療者としては不適切な表現かもしれません。でも、今の当院にはまったく余裕がないので、本当にこのような人は迷惑だと思うので言います。リウマチ科は手間がかかる医療です。全身を診なければ仕事が出来ません。なので、私は毎日数日前の診療の予習を行ってから当日の仕事に臨んでいます。それでも医療費加算は普通の内科と変わりないのが実情です。コスパは悪いと思います。

富士市内の先生が苦労をせず、美味しいとこ取りするために、我々は三島市内の患者さんを診察する時間を削って苦労してきたのでしょうか。だったら、最初から貴方達を対応しなければ良かった、そうしたらずっと通院してくれる三島市内の患者さんの対応がもっとできたのに、と思うわけです。

富士、富士宮市方面から通院される方、熱海市、伊東市方面からも来る人もいるので、これから遠方から当院に通院したいと思われる方に言いたい。元々そちらにも専門施設がある訳です。無い地域は下田市周辺地域だけです。当院に来ると決めたのは、そこでは対応が困難だったからではないのでしょうか。もし、良くなったら途中で地元に通院したいと思っているのなら、最初から当院に来ないでください。リスクがある時期だけ当院に仕事をさせないでください。通院すると決めたら最後までちゃんと全うしてください。予定表に穴を開けないでください。

貴方方のお陰で、当院は『大変待たせる』と悪評が出ています。貴方方は当院を遠方から来て、更に1時間も待たせて、本当にしんどいと文句を言いますが、当院を混雑させている要因は、遠方からきて採血と診察を同日行う貴方方の存在なのです。だから今後も予定表を埋め続けてください。無責任に転院しないでください。

(だから駐車場待ちの車がグルグルしている日も有りますが、実際はそんなに大人数をこなしていないのです。)

5.混雑しているから、リウマチも良くなったから卒業したいと言い出す患者

だって、仕方がないじゃん。評判がいいんだから(笑)。当院に通院していると、仕事が丁寧だから、体調がよくてリウマチの存在なんて完全に忘れるでしょう。そうなると、内服が必要なのか判らなくなるでしょう。でもね、今の医療ではリウマチの活動性は止まって当然ですから。止めない先生が圧倒的に多い静岡県ですが、私は東京ナイズされた医療をするので、ほぼ全員の活動性を止めてます。副作用もしっかり管理しています。データもどんどん綺麗になるでしょう。

でも、それはリウマチが『完解』した訳では無いのです。リウマチはまず完解しません。この間も3年ぶりに来た患者さんが数名居ました。3人とも軽症のリウマチの方です。最近また痛くなったから、それまでずっと調子が良かったから。全員関節所見のスコアが上がってました。軽症の方でもそうなのです。諦めて通院してください。全く同じ処方を受けていても関節痛が再燃し戻って来た方もいます。何かが他院と違うのだと気づいてください。

6.初診の患者さんには優しく対応しています

多くの初診は対応に時間が掛かります。話をこってり聞かないと仕事を間違えますから、本人が全然話をしてくれない人には必要な情報が出てくるまで根堀葉堀質問するし、どうでもいい情報を自己満足のために熱心に話す人はそれを制止しながら必要な情報を聞かないといけません。初診が多いと、予約の患者さんは待つと思います。

7.ずっと混雑しているのかどうか。

予約も院長が自分で管理しています。今年は9月に休みを取りませんので、なるべくひと枠の人数を少なくして対応しています。混雑するのは、GW、夏休み、お正月休みの前後2~3週間です。

なので待つことを怒らないでください。待つと思って読書する本をもって来院してください。リウマチ科は話を聞く科なので、どうしても待ちます。リウマチ科で処方する薬は生活習慣病の薬より副作用が出やすいですし、治療を進めていく過程で生活習慣病も悪化します。今の医療制度だと、多分皆さんが『掛かりつけ』として利用している先生より検査を出しているので、私の方がデータを把握しています。診察時間は5分程度ですが、その5分のために手間暇を惜しんでおりません。

リウマチ診療はとにかくコスパが悪い。時間と手間、説明に時間が掛かるのに、医療加算は普通の内科と同じ。はっきり言って生活習慣病だけ見ている先生のほうが患者の回転が速く、率が良い。

7.本人がやる気がないのに、来院する熱心な家族

これも遠方組なので、重症で、時間が掛かるケースが多い。最大の難関は、本人が嫌薬家なので新しい治療を絶対に受け入れない。内臓も身体も、どれだけボロボロになっても痛み止めを貪り、抗リウマチ薬を拒否するケースが多い。極めつけは遠方ゆえに体調不良を理由に本人がいない・・・。

家族だけ来て、あーでもない、こーでもない、と長々話をする。本人はちゃんと治療を受ける意思があると、家族が本人に向き合わず想像だけで話をする。言いたいのは、時間の無駄なので、本人に当院でリウマチ治療をする意思があるか確認してから予約を抑えて欲しい、通院するかどうか決めて欲しい、という事。大学病院にも通院していて、そちらの先生の意見を聞かないと云々なんていう家族もいる。だったら当院に来なくて良いよ、というと『私はどうしたら良いのですか!』と何度も泣き叫び、ただ困らせる。そういう患者が予約枠を抑えて、更にドタキャンした事で当院には不利益が出るし、突然来院し、診察室に入ってきて大嵐を起こす。待合室で予約を取って待っている他の患者さんの気持ちも想像して欲しい。本人に当院で治療をする気がないなら、本当に来なくて良い。

8.事務系スタッフが不慣れです

当院に通院されている方ならわかっていますが、1年に1回受付が総入れ替えになってます。東部地域は深刻な人材難で、若い労働者の多くは東京に流れます。少ない人口に釣り合わないほど大病院も多く、事務系の人材は大病院に吸収されます。最近は当院のような事務系人材に困ってる診療所、事業所が増えているそうです。そのため、予定表管理を始めとして、院長の仕事が増えています。最近雇う人材の多くは医療事務未経験者です。そんな彼女達が嫌がらないように、すぐに怒り出す院長は我慢しながら(?)仕事をこなす訳です。一番困るのは、診察日当日カルテに上がっている指示が間違えている事です。院長が前日までに予定指示を出していても判らない事がある、でも院長はすぐ怒るから怖くて聞けない。(自分が怒った過去は秒で忘れますけどね。)院長や看護師が気づいて直す手間が増えています。勿論事務員は精一杯なので院長は叱りません。看護師が叱っていたら看護師を注意しています。そのため時間が掛かっているかもしれません。今の時期だけですので、暖かい目で見て頂けますと幸いです。

9.院長って朝遅いよね、午後も遅いよね

はい。遅い事もあります。早く診察室に入る日もあります。転院が必要な患者さんが来ると連絡を受けていれば8:45から院内にいる事もあります。しかし、早く診察室に入ってもカルテが来ていない事が多いのが実情です。当院は電子カルテです。電子カルテは毎月保険証確認をしないとカルテを出せません。また普通の内科と異なるのは、患者さん一人ひとりのスケジュールが異なるという事です。採血だけの来院の人、診察だけの人、採血と診察の両方をこなす人。MRIだけ撮影に来る人。様々です。点滴を受ける人、自己注射を受ける人もいます。その指示出しも受付が行ってます。私もカルテも早く出る日も有りますが、始業時間、終業時間に遅く来た日と差は有りません。不慣れな事務員に無用なプレッシャーを与えたくない気持ちもあります。一方何でも朝一番に拘り我先に来院するのを好む患者さんを制止したい気持ちもあります。朝早く診察を受けて、出勤したい方もいると思いますが、話を聞かないと見落としが生じるリウマチ科ではそれは難しい。

私の実家も開業医でした。母は患者さん達を満足させるために朝5時に起き、6時からストーブを焚いて待合室を温めておりました。一人で経営する私にはそのような真似は難しく、遠方から出勤するスタッフに待合室を早く開くよう指示を出すのも躊躇われます。ご夫婦で経営されている診療所でしたら奥さんが早く待合室を開けて、早く来た患者さんのカルテ出しをしておくことも可能でしょう。

以上、長くなりましたが、宜しくご理解の程お願い致します。

6月から7月上旬に掛けて外来は空いておりますので、寛大な気持ちで来院していただけましたら幸いです。院長でした。

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2024年5月19日

薬は自分で管理をする時代です

最近調剤は自院ではなく、外部の薬局で調剤をする事が普通になりました。国の診療報酬制度の方向は、後発品選択を強く推し進め、一般名処方に点数をつけ、普段の診療の技術業を削る方向にシフトしているため、内科の開業医である当院も大切なメトトレキサート以外を一般名処方とせざるを得ない状況となりました。一般名処方可にしないと周辺調剤薬局にも嫌われるので余計にです。

さて、そうなるとどのような事件が起こるか。簡単に言うと、当院も、調剤薬局も仕事が増える分、雑になる訳です。処方日数が全然違うなんで事は日常茶飯事ですし、処方されている規格が250mg錠4錠/日から500mg錠2錠に変更するケースもクリニックに相談しないで変更をして良いというルール変更となり、患者さんが間違えて倍量を内服していた事件もありました。

先日土曜にあったのはおばあちゃんが一人で来院し、リウマトレックスの日数が足りなかったので残りの週は内服しないで過ごし、リウマチが悪くなったというケースを経験しました。

当院に長い患者さん達は、薬が足りないと受付で説明してくださったり、うちにほど近いT薬局だと日数をちゃんと数えて連絡をくれます。そこで発覚する事も多い。

患者さんが内服していて、薬が無くなると途中で取りに来るケースも多い。こういう人は安心できる。

でも、昔の医療の感覚で、何でも『お医者様にお任せ』デーン!!!とされる方は無理なのです。何度も丁寧に説明しても、『医者が処方した通りに内服するのが当たり前だ』の一点張り。まったく理解せず、途中で怒りだし、順天堂に行くと言い出しました。調剤については、順天堂に行っても解決する話では無いのです。

昔から、院外処方が始まった頃からですが、調剤薬局が意図されているのかもしれないと疑うほど、薬の日数が足りないという事件は何件もあります。診察室で毎日聞きます。

そして、身内の話でお恥ずかしいのですが、当院には現在、調剤薬局から問い合わせが来ても、院長に連絡報告をしないスタッフが確かにいます。明らかに当院側の問題と思われるケースも数件ですが有ります。

私側の原因に関していえば、診察室に入ると判りますが、私は話をしながら患者さんの顔を見て質問し、診察しながらパソコンを操作しています。多くの場合が前回の処方をコピーアンドペーストすれば良いのですが、患者さんが飲み残しがあるとの理由で前回処方から削除されている処方もあり、次回処方から抜ける処方が少なからず出てきます。

また、受付で会計処方をするときに、受付側に処方調整を頼む人もいると思いますが、彼女達は薬の処方が判らないので、必ず間違えます。会計処理をするときに間違えて数字に触り、日数が合わなくなるケースも起こりうるパソコンでもあります。お恥ずかしい話なのですが。

なので、自分の処方は必ず自分で理解していて欲しいのです。理解できなければ、家族の方に管理して貰ってください。何卒宜しくお願い致します。

院長

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2024年5月19日

嫌薬家

常日頃リウマチ診療をしているとよく見かけるのが嫌薬家。読んで文字の通り、薬が嫌いな人。

大抵の人が罹病期間が長く、酷い関節症状の人。指が変形し、物も上手く持てない。そもそも普段から歩いていないから歩けない、なんて人もいる。

でもそんな彼ら、彼女らに共通している認識がある。それは薬が嫌い、副作用が怖い。どんなに関節がボロボロになっても、家族に介護を強いる事になっても、大学病院に通院していても新しい薬を勧められたから嫌になって通院先を変更する。生物学的製剤が何者か全く理解できなくて、副作用の欄を読んで怖くなり来なくなる。

薬は何でもメリットデメリットがある。薬害で酷い目に遭う人が全くいない訳ではない。しかし、皆さんにちゃんと理解して欲しい事がある。それは、私はメリットデメリットを考えるとき、ちゃんと論文に戻って考察し、本当に有効性がダントツに高い薬しか投薬しないという事を。

私が新型コロナワクチンに対し、どのような姿勢を取ったか、覚えている人は覚えていますよね。

だから、私が薦める薬は信用してください。私の意見を信用してください。

私が知っている人では、去痰剤やかゆみ止めでTENを発症した人がいた。私も、依頼を受けて診察した大学病院の皮膚科の先生達も首をひねった。でも、こういう人たちは極端な例になるが、多くの人達にとってはどうって事がない製剤なのに、副作用で酷い目に遭った。そんな人達もいる。

では、彼らが抗リウマチ薬や生物学的製剤の使用で副作用で酷い目にあっているだろうか。結論を言えば、全然遭っていません。一つがダメなら、他もダメなわけではないのです。

大学病院で診察していたある人は、抗リウマチ薬全般が身体に合わなかったのに、何故かメトトレキサートだけ副作用が出なかった。全ての内服薬を全て試した結論だった。そういう人もいる。

今の時代、抗リウマチ薬が沢山あり、選択肢も多く、一昔前と比較したらとてもいい時代になりました。それでも関節破壊の酷い人がいて、大抵が嫌薬傾向にある人です。関節破壊が平均以上悪く、罹病期間が長い人は大抵嫌薬傾向があります。わかっているけど、必要だから追加投薬をお勧めする訳です。なので、ちゃんと耳を貸して通院して欲しいと思います。

院長

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2024年5月17日

開業8周年で思う事

 2016年4月1日からスタートした当院ですが、やっと8周年を迎える事となりました。思えば開業5周年時に新型コロナウイルス感染症が出現し、清水町の医療センターが突如リウマチ・膠原病科を立ち上げ、一昨年辺りから富士宮市に新しいリウマチクリニックが出現し、当院と、順天堂静岡病院の患者さんの流れに大きな影響が出てきました。

 それでも、口コミサイトで1位になったり、それなりに大きな評価を頂けますのは、ひとえに現在通院中の患者さまや、意外に他院に移動した患者様の口コミのお陰だと思います。皆様本当に有難うございます、これからも宜しくお願い致します。

 当院によくある困った患者様で多いのが、病態が落ち着いているから、当院まで通院するのが大変だから近所の病院で薬だけ貰おう、と考える方です。そうお考えになる患者さん様は関節リウマチという疾患、膠原病という疾患を大きく勘違いされていると思われます。

 まず、抗リウマチ薬、免疫抑制剤は生活習慣病で投薬される薬より副作用が多く出現します。出現した際、一般内科の先生達にはまったく判りません。説明しても口をあんぐりとされて動きが止まると思います。

 そして、専門医に通院する理由は、痛みが取れる事では有りません。端的にいえば、今は強い薬が沢山あるので、専門医を取り立てで、普段関節リウマチの臨床に慣れていない先生でも、生物学的製剤を投薬すれば劇的に疼痛が無くなることもあるでしょう。そんな事は専門医でなくても、臨床に慣れていないくても、誰にでもできます。

 専門医の腕の見せ所は、薬の副作用の発見、処方内容をどれだけ変更できるか、変更後も関節症状の良い状態をそれだけ保てるか、だと思います。

 リウマチ診療は対応を間違えると10年から20年の寿命が変わると言われています。当院に通院して落ち着いているのは、患者さん方が気づかないでしょうか、上手く微調整をしているからです。監視をしているからです。同じ処方をして貰っている筈なのに、他院に移動した途端に関節リウマチが悪化し戻ってくる人は沢山います。よく考えてください、頻繁に検査をしていますか、患者さんの体を直接診察して貰えていますか?まったくされていない事例が後を絶ちません。皆さん悪くなって戻ってきます。

この地方には、専門医資格だけ持って、資格を更新しているか定かではないですが、また関節リウマチは完解するとデマを流している先生が存在します。専門医を名乗り、メトジェクトを皮下注射してもその副作用すら把握せず、副作用が出ているのに打ち続ける先生がいます。メトジェクトと生物学製剤の皮下注射製剤を両方打たせるサディストのような先生が確かに存在します。

その様な先生たちは、本当の意味で専門医なのでしょうか。資格さえ持っていれば本当に良いのでしょうか。

 副作用が全くない、疼痛もない状態が継続する事は当院ではよくある普通の光景です。よく考えて、移動するしないを検討してください。

院長でした。

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2024年3月29日

八代亜紀さんの死で考えた事

 とある患者さんが、心配で夜も眠れなくなり来院。その人は先日膠原病を疑い来院し、膠原病はないですと、とお話して帰宅させた方。しかし、採血結果の抗核抗体に検査結果として『40倍(+)』と記載されていたため、何故か自分は膠原病の可能性が有る事を見落とされていると勘違いし、不安になり再来院した。なぜなら、『演歌の女王』八代亜紀が膠原病の急速進行性間質性肺炎で亡くなったから。

 この検査会社の『抗核抗体40倍陽性』という記載、本気でやめて欲しいと専門医達は考えている。抗核抗体は、少なくとも私が医師になったのが20年数年前だから、その事から80倍以上でやっと陽性と考える膠原病の指標である。80倍でも、膠原病の診療症状がなければスルーするような指標である。なのに、なぜ、40倍から陽性と検査会社は記載するのか。謎である。更に数年前からCRPも0.16以上から陽性とした。CRPが0.16だろうと、0.2だろうと我々には知った事ではないし、誰も困らない。これでは、世の必要以上に考えすぎる患者さん達が心配しすぎて夜も眠れなくなるではないか!!

 今日(こんにち)、膠原病診療については、診断能力も、検査も、大分進歩している。しかし、私が医師になった頃から現在も、一部に疾患はやはり死んでしまう。幾つかある疾患の一つが、間質性肺炎の急速進行するタイプである。

 中でも、皮膚筋炎で、筋炎症状が乏しく、ゴットロン兆候など皮膚所見があり、抗Jo-1抗体が陰性で急速進行性間質性肺炎があるものを昔から『アミオパティック』と言い、予後不良とされていた。最近では抗MDA5抗体が陽性である事が多いらしい。しかし、治療をやり慣れている人間なら皆知っている事であるが、女性は意外に助かる。勿論担当医は男性でも女性でも関係なく真剣に治療を行う事は同じである。でも女性は助かる。致死レベルに至るのは多くが男性である。

 なので、急速進行性間質性肺炎をよーく知っている人間から見たら、八代亜紀が死亡したニュースは、不運なニュースなのである。彼女が死んだのは、2次性肺炎が起きたりして、本当に運が悪かったのか。それとも、どこの医局で治療したのだろうか。私が知る限り、この手の治療を得意とする先生は少なくはない。有名人は、現在は教授になった東邦のK先生、論文を沢山持っている。私の元病棟指導医のN医大のG先生、大出世したよなー。やはり論文を沢山持っている。勉強会でお世話になった元新宿社会保険中央病院(現山手メディカルセンター)部長のT先生、静岡県内にいる呼吸器内科界のトップランナーは浜松医大の教授だろう。私が知るだけで有名所がこれだけいるのだから、もっといるだろう。この分野は花形分野だから、治療の成功を武勇伝にする先生は多い。

 しかし、成功が『確実』的なのは、恐らく私が↑に名前を挙げている先生達でしょう。論文を書いている人たちってこと。後の人たちの成功は、料理本を読むように論文を読んでやったまぐれ当たり。だから、誰が八代亜紀を治療したんだろねー、って思うのである。

詳しい話を聞きたい方は是非診察室で相談してください。電話では対応いたしません。あしからず。

院長でした。

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2024年1月14日

外国産グルタチオンと添加物入りのビタミンC点滴

当院ではグルタチオン点滴を実施しております。コロナ禍以降、ふと沸いたワクチン後遺症(新型コロナ、子宮軽頸癌ワクチンなど)の副作用の為の治療として需要が増えました。需用がふえると、厚労省から文章が一斉に流されてきます。

グルタチオン点滴にいれるタチオンが需要が急に増えて、品薄状態になってるので、不正利用(大量静注の事だと思います)をしないよう、との伝達です。

同時期に流れてきたのが、日本より西側のアジア圏にある国で作られているグルタチオンのバイアルがあるよ、買わない?というチラシ。1バイアルは600mgとの事。ゆえに、600mgからを初回投与量にしている医療施設はきっと某国製のグルタチオンだと思います。これ無茶苦茶安いんですよ。

当院で点滴しているのは、きちんとした国産正規品です。こんなに品薄になるまえから取引が一定額あるのでセーフでした。卸さんがかき集めてくださります。

 大量静注ビタミンC療法のレジメですが、点滴療法研究会のレジメのスタートは6000mgではありません。ビタミンCも無添加保存料ゼロの本物のビタミンC点滴で6000mgからというレジメは無いと思います。12.5~50gが美容で使用する単位です。単位が小さいビタミンCは多分保存料が沢山入っているものだと思います。その様なものを大量に点滴すると体に良くないのでやめましょう。

院長でした。

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2023年12月17日

リウマチの不思議な治療方法

開業し関節リウマチ診療を主で行い、早8年近くが経過します。そろそろ私がどこで仕事をしていたか判らなくなり、J大や医療センターのSM大のほうがもてはやされている気がするのはやっかみでしょうか(笑)

さて、久しぶりにJ大のクレーム対応でした。しかも、担当医は、平素からあまり悪い印象のない先生でした。一体何が悪かったのか、良い先生なので、余計に興味を持ち患者さんの話を傾聴しました。

患者は医療従事者でした。11月末にJ大初診。当院には12月13日来院。抗体値は高いけど炎症反応も所見も地味でした。なのにプレドニゾロンを10mg処方し、すぐ7.5mgに減量してメトトレキサートを併用開始、メトトレキサートの効果を確認する前に、生物学的製剤の説明をして同意書にサインをさせて、そんな高額な医療は受けられないと患者がごねると限度額制度の書類を作らせる段取りの良さ。

段取りが良い事を誉めているのではなく、寧ろこの手の段取りの良さは誉めてはいけない。

関節リウマチと診断したら、男たるものステロイドで逃げの手を打たず、メトトレキサートをさっさと処方するだろう。メトトレキサートの血中濃度の上昇は2週間から8週間で、その間痛み止めとか処方して、治療はシンプルに進めていくものだろう。普通のリウマチですぐに命を取られる事は無いのだから、そんなに慌てて処方内容をコロコロ変更し、患者に恐怖を煽る必要はないだろう。どうしたんだ?J大外来に従事した事があるが、あまりこの様な治療展開だったカルテを私は見た事がない。

ちょっと考え対応。多分論文でも作りたかったのか。J大は大学病院だし、研究機関だし、製薬会社からSLEのBIO製剤でもスタディをやるために沢山処方していたと聞いたことがある。でも、リウマチでなんのスタディをするのだ?次にその患者さんが来院したら聞いてみようと思うが、生物学的製剤はなんだったのか。プレドニンを10mgも処方し、畳みかけるようにメトトレキサートを処方し、すぐにBIO製剤を処方し、何を目指していたのか。多分、そんな攻め攻めの対応をする目的は『臨床的寛解』を作る事だろう。そう、私が大嫌いなインチキフレーズである『臨床的寛解』。たった2年間ではなく、是非10年間追跡で研究をして欲しい、『臨床的寛解』。10年まで見れば『臨床的』寛解率は間違いなく0%に向かっていく筈のインチキフレーズ。そうかもしれないし、違うかもしれないし、間違えていたら本当にごめんなさい。

研究をする事が悪いとは言わないが、思ってしまう事がある。強引にでもスタディを作り、研究をし、論文を作るようにしないと確かに大学病院では生き残れない。それは自分が大学病院にいたからよーくわかる。しかし、実臨床に沿っていない論文は後世で必ず廃れている。

しかし、その為に、普段の診療で絶対やらないような処方の手を打ってはいけない。治験ならまだしも。臨床研究は患者さんが医療費を払うのだから。

限度額制度は年々基準が厳しくなるし、BIO製剤は年々価格が安価になる。結構設定限度額には引っかからないのだ。どうしても治療に必要なら当院も限度額制度を利用しながら生物学的製剤もやむなしだと思うが、ACRやEULARガイドラインで、たった1か月以内でそんな攻めた治療をしろと提唱しているか?していないだろ。

関節リウマチ患者を5年10年と長く対応をすると、ぶつかる壁の一つに肝機能障害をはじめとする薬の副作用というものがある。だからこそ治療はなるべくシンプルにまとめるのに越したことはないのだ。

後、世の中の全く分かっていない人達に言いたい。大学病院だから、大きな病院の部長だから、臨床が上手い訳ではないのよ。開業医だから大病院より医療技術が舌ではないのよ。25年前から合併症のない関節リウマチで入院はまずないのよ。重症ならちゃんと相応しい施設に紹介します。私はリスクを抱え込んだり、リスク判定が出来ない医師では有りません!J大にも何人も紹介しております。

因みに加算は大病院と比較して、クリニックのほうが取れない加算が多いのでクリニックのほうが通院コストはお得です。うちは東京女子医大の外来スキルで仕事をしているのだから、本当にお得なんだけどなあ、とぼやいてみた。ボヤキが多くてごめんなさい。

院長でした。

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2023年12月14日

リウマチの完全完解の闇

現在のリウマチの治療は2000年以前と異なりリウマトレックスの処方パターンの安定、生物学的製剤、分子製剤の出現で、コントロールの良い患者さんが増えてきました。

そこに来て、生物学的製剤を売る製薬会社が、学会内の医局何か所かに働きかけ、『早期発見早期治療』を行うと、関節リウマチは『完解』する、という夢のような目標を作り、スタディを沢山作りました。

国内のK大を始め、何か所かの施設で研究がされましたが、結論から話をすると、自然完解率は3割でした。

この3割という数字は、元々あった数値でした。何も『早期発見・早期治療』などしなくても、お高い生物学的製剤を併用しなくて、得られるデータでした。

更に、多くの論文の『完解』のニュアンスがおかしいのです。

普通、完解というと、がんの治療の完解を想像します。そうです、この言葉は元々がん診療で使われていた言葉だからです。それを2010年以降関節リウマチにも用いで、多くのスタディが組まれ、発表されました。その結果リウマチの『完解』の意味は大きく湾曲し、『内服薬を投薬された状態で関節炎の症状がなく、レントゲン上関節破壊の進行の無い状態』を『完解』と表現するようになりました。

本来の意味の完解を、『ドラックフリー完解』というようになりました。

たった2年間の生物学的製剤のスタディで、内服薬を内服し、生物学的製剤を中止出来た人が3割なのです。

ここで、何を言いたいのか、というと、『完解をめざして』高額な医療費を使い、『完解』になったので、通院しなくてよい、と発言する専門医を名乗るリウマチ学に関して素人医師の言葉を絶対に信用しないで欲しい、という事です。

関節リウマチの研究はまだ解明されていない事が多く、『完解』という概念の研究もまだ20年程度で、結論すら出ていないからです。

私は開業をし8年近く経ちます。私の投薬が奏し、疾患活動性が停止している患者さんは沢山います。私は疾患活動性が停止していることが当然だと思っております。それを『完解』とは考えません。本来のがんでいう『完解』とは全くニュアンスが異なるからです。薬を使って活動性を止めることが治療の最大の目的なのに、薬を外せば7割の方が再燃し、その7割が治療を中止した時より治療が増えているという有名なデータがACRのガイドラインにも登場します。

当院にも、生物学的製剤を併用し、詐欺達のいう『完解』(薬を投薬した状態で疾患活動性が止まっている方)を得て、生物学的製剤を中止し経過観察をしている人は沢山おります。8年間見ておりますが、結局ほぼ全員『再活性化』し生物学的製剤を再開しました。

当院で治療をし、治ったと勘違いする患者さんが、男性を中心に沢山います。当院を飛びだし、再燃し、他院に通院し、どうにもならなくて戻って来た方達は、全員がレントゲンで新規骨びらんを確認しています。関節破壊のため可動域制限がでている関節が有ります。

昔から関節リウマチの活動性は人それぞれであり、まったく治療しなくても指1本だけ変形して活動性が終了する人もいます。一方全身関節炎が何十年経過しても活動性が落ち着かない人もいます。活動性そのものが人それぞれなのに、せっかく投薬で活動性を停止させているのに、投薬を止めて本当に一生ドラックフリーを得る事が全員に出来るのでしょうか。

どうか『完解』という言葉に惑わされず、ちゃんと通院し、活動性が停止している状態で、薬の副作用がクリアされた状態を維持してください。

院長より

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2023年12月2日

人権団体の、闇?

本日は休日です。ちょっと驚くようなトラブルに巻き込まれ、意外な事実に気づいたので投稿します。

本日、定刻に約束がある用事があり、外に出たとき、苗がしおれていたのでホースで水を掛けてから車に乗ろうを思った時、とある人権団体のビラを撒く女性に絡まれました。

お話を聞いてください、と言われましたが、私は急いでいたので、「申し訳ないのですか、急いでおりますので。」とお断りをしました。

その後、駐車場にチェーンを超えて入ってきて、呪文のようにクレームをぶつぶつ言い出しました。本日は診療所は休診日なので入ってこないでください、と私は説明しました。

いそいそとガレージから車を出そうとすると、女性の自転車が出口を塞いでおり、女性は私の車のナンバーを写メに撮っていました。

私は、運転しようとした車を降りて、再度抗議しました。「あなたはビラを配り人権の為に活動されていますが、私の人権を守ってくださらないのでしょうか。」女性は、ぶつぶつとそのような事はしていませんー、私たちは三島市にもちゃんと許可を得ている団体でーす、と言い去っていきました。

その後、近所の薬局の門前に行ったのを目撃したので、用事が済んだあとその薬局に相談し、ビラを貰いました。

そのビラは3枚。ビラの発行元は、『集団ストーカー被害者の会ネットワーク』、『NPO団体 組織犯罪STOPの会 静岡県三島市社会福祉協議会ボランティア団体』、『安心・安全防犯ボランティア』の3枚でした。厳重抗議をするため、それらビラに記載されてた電話番号やアドレスをたどりました。

1か所は代表者がすぐ出ました。個人で活動している団体で、自身は何も知らない。ビラは勝手に利用されるのが実情だそうです。もう1か所は実在する団体のHPがありました。しかし、2019年から活動をしてませんでした。もう一か所のHPは明らかに実在とは別のサイトでした。釣りサイトです。

要は、あの女性は、実際の人権団体のボランティアではなく、ボランティアを装った詐欺師である可能性が有るということです。車のナンバーを写真で撮影されましたが、ちょっと怖いと思いました。三島警察署に相談しました。私に絡んだあの女性は、この地域を物色している泥棒集団の手先の可能性も有ると思います。

皆さんも、人権団体のビラを配る人には近づかないほうが良いと思います。防犯の為にくれぐれもご注意を。

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2023年8月31日

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